前回は鍼刺激と内臓の関係について少しお話しさせていただきました。

 
今日は前回少し触れた、麻酔をかけた動物を使ったとても興味深い研究の詳細をご紹介したいと思います。

 
少し前の研究ですが、ある大学の先生方が麻酔をかけたラットを使い、鍼に電気をかけた刺激を足に与える実験を行いました。

 
抜粋して紹介しますが、麻酔をかけたラットの後ろ足のすねに少し強い鍼電気刺激を行ったところ、腎臓の血流量が増加し、平均血圧が下がるという結果になりました。
その際に皮膚の血流は減少していたそうです。

また足の裏に鍼刺激をしたところ、皮膚の血流は増加し、血圧は上昇し、腎臓の血流量は減少が見られたそうです。
そしてこの時に自律神経を働きを抑える薬を与えたところ、この血流や血圧の反応は消えてしまったということです。

つまりこの研究から何が考えられるかというと、

・鍼刺激が内臓の血流量に影響を与えることができる可能性がある

・その内臓の血流への影響を与える際に、自律神経に作用している可能性がある

という点が考えられます。

これはとても興味深い研究で、このことによってより広い病気や症状に対しても鍼治療を活用することができるようになるかもしれません。

 
またこれまで鍼灸治療で医学的には明らかになっていなかった効果についても医学的に説明できるようになるかもしれません。

 
鍼灸治療はまだ医学的に効果を説明しにくい部分もありますが、さまざまな症状に対して効果が期待できます。

気になる症状などありましたら、お気軽にご相談ください。

鍼灸 山中